TRPG(テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム)のレビューやリプレイ
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英雄叙事詩RPG バルナ・クロニカ ルールブック 個人的オススメ度(5段階評価) |
個性豊かな5つの種族が暮らす“現界(ルラーラ)”と呼ばれる、中世ヨーロッパ風の幻想世界を冒険するRPG。
プレイヤーたちは、“屍闇の王”と屍闇の使徒の再臨を阻止するべく、1000年の時を超えて目覚めた転生の英雄“希望の灯火(ナジヤ)”として世界を冒険する。
様々な出会いを繰り返し、多くの感情に触れ、数々の忌まわしき怪物たちとの戦いを経て、聖霊より賜りし“心魂”が成長したとき、彼らは真に英雄と讃えられることになる。
重厚な世界観と独特の判定方法を持つファンタジーRPG。
良く練りこまれた世界や、英雄叙事詩的な葛藤をルール化した“心魂判定”、成長点的なものの算出方法など、中世ファンタジーで英雄譚的なゲームをやりたい人にはオススメ。
反面、世界の設定や歴史の情報量や、この世界ならではの用語も多いため、「どんな世界であるか」を把握するのは少し大変。
また、戦闘は部位ごとに耐久値が存在し、特殊な判定や複雑なルールと相まって結構重い。
一回限りのセッションよりもキャンペーン向きで、1セッションごとに成長ができるのも嬉しいシステムだ。
遊び安さ評価(5段階)
ルール | ★★☆☆☆ | あまり類を見ない判定が多く難解。 |
---|---|---|
世界観 | ★★★★★ | ずっしり濃厚なハイファンタジー。 |
育成 | ★★★★★ | セッション中にも成長のチャンスがあり、着実に成長できるのが嬉しい。 |
派手さ | ★★★☆☆ | ドラマチックではあるが、そこまで派手さは無い。 |
価格 | ★★★☆☆ | 内容の濃度から見れば安い |
総合評価 | ★★★☆☆ | 初心者向きではないが、濃厚な世界観は魅力的! |
創造主である「聖なる風」によって生み出された「風」「光」「闇」「水」「火」「土」の“聖霊”によって創られた世界。
かつては高度な文明を誇っていたが、不死の身体を持つ偉大なる人間の王「真王」が「光」との戦いに敗れたことにより、その文明と技術は失われてしまった。
その後、様々な時代を経て現在。およそ80年前に行われた「統一戦争」により増した流浪民等の手によって、1000年前より人が住まなくなった「大荒野」の開拓が進めされているのである。
しかし、そんな最中“夢織人”たちが予言の夢を見る。光との戦いに敗れ「屍闇の王」となった「真王」の復活を。そして、「屍闇の王」は荒野の地に幼子として転生しているという。
光に戦いを挑み敗れた「真王」は、闇と死者の世界である「屍闇」へと逃げ、「屍闇の王」となった。
そして彼は400年ごとに輪廻転生を繰り返しては、現界へと戦いを挑んできたのである。
そんな「屍闇の王」と戦うべく「光」によって導かれ、「屍闇の王」と共に転生を繰り返し、「屍闇の王」を倒す転生の英雄たちが“希望の灯火(ナジヤ)”である。
そして以前の戦いより1000年前の時を経て、再び「屍闇の王」が現界へと転生を果たした。
「屍闇の王」と共に、“希望の灯火”たちも現界へと転生を果たす。
世界を破滅へと導く「屍闇の王」との戦いが再び始まる。
◆人間族(ザハール)◆
全ての“心魂”を持ち、国を失った人々。最も古い種族で、最も多くの偉業と最も多くの過ちを犯した種族。異種族の気持ちを理解し、尊重することができる。
◆戦人族(ドヴォルグ)◆
“賢明の心魂”を失った種族。身長は低いが、がっしりとした体形を持つ。正義を重んじ不正、虚言、卑怯を悪とする誇り高く情熱的な種族。
◆長命族(エルフィン)◆
“希望の心魂”を失った種族。数百年の時を生き、詩や音楽、安穏な生活を好む。高い知性と自制心を持ち、暴力的なことを嫌う繊細で美しき種族。
◆鬼面族(オウガ・アザレア)◆
“愛の心魂”を失った種族。他者を欺き、利用して出し抜くことこそ美徳とする。他者との違いは弱点となると思っており、仮面や露出の少ない服を着て、偽名を名乗る。
◆笛小人族(ココペリ)◆
“勇気の心魂”を失った種族。本来は好奇心旺盛であるが、きわめて臆病で慎重。歌やダンス、美味しい料理が大好きで、笛によって植物と交信することができる。